いま働いているWeb制作会社に転職したのが2013年11月のこと。「スタッフの働く環境を内側から作りたいです!」と面接時に社長に言い放ってからまだ9ヶ月の新米です。中小零細企業のためスタッフも現状5名と少ないですが、その中で行っているスタッフによるスタッフのための環境作りを書いてみます。個人的に実践している行動になりますので、お読み頂いている方の環境作りの参考としてお役に立てれば幸いです。
もくじ
1.成功体験を増やす
お客様のWeb戦略に関する施策を一緒に考えながら結果を残す事で、スタッフそれぞれの経験値・レベルアップへ繋げます。
例えば、ショッピングサイトの更新依頼がきたとします。依頼内容は「この商品を売りたいので、バナーを作ってください」というふんわりとした内容。そのふんわりした内容をすべて決めてしまってデザイナーに向けてバナーの作成依頼を出すだけなら難しくありません。完全分業の形ですね。
バナー作成依頼1つにしても、デザイナーやエンジニアと打ち合わせする機会を設けます。なぜかというと、依頼から納品までの制作フローをすべて知った上でデザイン・サイトへの設置を行うという事は、売れるデザインの流れを体験する事に繋がるからです。
デザイナーとは文言や色彩などについて話、エンジニアとは設置箇所や見せ方・導線などを相談します。という事は、コンサル視点・デザイナー視点・エンジニア視点の意見がこのバナー1枚の制作依頼から学べるわけです。このバナー作成という良く見受けられる依頼ですがサイトからの売上にあたる数万、数十万を動かす威力があるわけですからね、「更新作業(サポート)」こそが一番面白く、成長のチャンスがあります。
成功体験をシェアする上で念頭におくのは以下の3つになります。
- 成功体験はスグに過去の体験になる
- 成果が見られない場合は「分析と改善」を半日単位で行う
- 情報を共有し、アウトプットする
2.お客様から頂いた言葉を伝える
お電話した際にお褒め頂いた言葉やメールでご連絡いただいた言葉があれば、担当スタッフに伝えます。そして、担当スタッフのみだけではなくスタッフ全員に伝えます。どんな内容で、どんな言葉を頂いたのか。それを知る事でお客様がWeb制作会社に求めている事がわかりますし、スタッフの仕事に対する意識が高まります。仕事に正解はありませんがお客様に提供したサービスを喜んで頂けた。というのは1つの正解なのだと思っています。
3.横の繋がりを作り、成長機会を増やす
以前勤めていた制作会社では横の繋がりが皆無でした。身内だけで情報交換をするというのも悪くは無いのですが、なんだか寂しい。笑
そこで、Web系・異業種のイベントやセミナーに一緒に参加したり、Web業界の友だちと定期的に遊ぶ機会を作っています。「この会社のこの人と話してみたいです!」という希望があれば、なるべく応えたいと思っています。僕自身の行動限度はありますが、まず動いてみてから考えれば良いことですからね。
本来の目的は、その繋がりを活かして個々に成長していってほしいという想いはあります。まだまだ課題は残りますが僕の役割が見えている分、あとはどうアプローチをできるか?でしょうか。
4.夢を語り合う
夢を口に出して共有するというのは、本当に大切です。将来何をやりたいか?仕事でもプライベートでも構いませんので夢を語り合います。言葉だけ見ると熱い感じですが、「夢」とは置き換えれば「目的」になります。その目的が定まった時、本人のやるべき事が自ずと見えてきますからそのお手伝いを微力ながらサポートするという事です。
「わたし、独立したい!」という事であれば起業に関するサポートと必要なスキルを伝えますし、「ぼく、占い師になりたい!」という事であれば占い師に関する情報を一緒に調べたり繋がりを提供したり、仕事・プライベートに限らず応援したいです。スタッフのために会社という土台があるという考え方を持っていますので、仕事・プライベート限らず全力で応援します。
5.環境を作るための土台作り
僕の考える土台とは、知識×技術×人脈にあたります。「夢・目的」を達成するための準備とも言えます。
目的を達成するために知識と技術は必須。更に、その場を提供するとなった時点で「動けないのでは口先だけで意味がない」という事ですね。アイデアがいくつもあるのに形にする術が無いのは大変もどかしい・・僕は幾度もそのような場に立ち会った経験があります。自分のスキル不足により行動できない、悔しすぎます・・。何かを成し遂げるためには過程よりも、まずはスタートダッシュが肝心です。知識や技術は日々の学びや気づきから身に付けるしかありません。
人脈とは、協力者を指します。自分ひとりでは出来ない事がものすごくたくさんあります。いざという時、共に動いてくれるチームとなる仲間の存在は非常に大きいです。
6.環境を提供する
スタッフからこんなことやりたい!というアイデアが生まれたとします。アイデアといっても様々で、実際に挙がった例を数点。
- 新規事業をやりたい
- WordPressを触ってみたい
- いつもとは違ったテイストのデザインをしてみたい
- 秋の遠足にみんなで行きたい
- ○○デザイン会社の○○さんと仕事したい
新規事業からスキルアップに関する事、スタッフ同士の繋がりを深めるなど多種多様ですね。
あらゆる面で根拠となる数値とリスクを調べ尽くします。思い付く最大限の根拠と提案を揃えた状態で社長にプレゼンです。
決断はもちろん社長にしてもらいますが、「目的への道筋は1つじゃない」という事を念頭に置きます。話をしている中で1つの道がダメでも、見えにくかった分かれ道が突如見える事も多々あります。アイデアを出してくれたスタッフが心から楽しめるプロセスを考えてみると、意外とすぐに道が開けたりします。
ポイントは、「それに関わる全員が前向きに楽しめる事」だけです。
7.言葉に耳を傾け続け、常に寄り添う
一番やってはいけないのが丸投げ。すべてを任せるのではなく常にサポートに入れる状態にします。そのためには、悩んでいる事や進め方にも常に気を配る必要があります。毎日の会話(コミュニケーション)が取れていれば問題は起きないはずです。常に相談役として見守り、口は出しますが手は出しません。
8.自分が成長できる環境をつくる
お互い成長できる環境を作らなければ、正直もったいないわけです。
先日、とある経営コンサルタントの方と喫茶店でお茶した際に伺いました。
成長率を数値化する目安として、【1:1.3:1.3の2乗の原則】というものがあるらしいです。
それぞれの数字が何を示しているかというと、
1:言われた事だけをやる
1.3:言われたことを理解した状態でやる
1.3の2乗:自分から進んでやる
本人の意思で行動を起こして、小さな成功を少しずつ経験していく時、爆発的な成長率に繋がるのではないでしょうか?1.3の2乗と書いていますが人間の伸び率は無限に感じますよね。
【1.3の2乗】となる成長率を持って行動している方たちと日々行動する事で、更に成長率は上がりそうです。Web業界に身を置いている友人の中にも数名思い浮かびますが、良い意味で異常です。
まとめ
普段なにげなくしている仕事でも、突き詰めれば非常に有意義な仕事になります。「作業」と意識してしまっているようなマンネリ化した仕事ほど、やりがいのある「仕事」へと昇華する事もできます。そして、スタッフが「やりたい事をやれる環境」を整える事でスタッフや自身の向上心も高まり、結果的にスタッフ同士の活気や会社全体の売上向上にも繋がるはずです。
以前より、「仕事は趣味の1つです」と公言していましたが最近では好きな事ばかりしすぎて「遊んでいる感覚」に近くなってきています。まだ少人数の会社ではありますが、【遊べる会社】という位置付けまでもっていけたら良いなぁと最近強く思うようになりました。僕が思いついたアイデアの1つでしょうか。笑